腎を侮るなかれ。
腎臓の持つ役割。これは計り知れないです。
血液をろ過して、クリアにして全身に戻す。また不要物は尿にして排出する。
基本の役割はこれです。
腎臓はこぶし大よりやや小さめの臓器で、腰あたりに左右1個ずつあります。
解剖学的、生理学的な知識は調べればすぐわかるので割愛するとして、
私が施術上、腎を見る上で常に意識するのは血圧との関係です。
腎臓は小さな臓器でありながら、血管の数は他の臓器より抜きん出て多いのです。
それだけに血圧の高低は腎臓機能を果たすことにおいて、抜き差しならない問題なのです。
腎から出るホルモンが血圧をコントロールしているのです。
だから腎機能が低下すると血圧調整がうまくできなくなります。
高血圧の方は、数なからず腎機能が低下気味であることは考えられるのです。
腰部から下肢にかけての筋肉は腎と非常に密接な関係にあることもわかっています。
例えば大腰筋は、腎のすぐ後ろを縦に走る筋肉です。
大腰筋の緊張が出ると表出する場所、腎の緊張が出ると表出する場所が一緒です。
下腿の筋肉とくに腓腹筋やヒラメ筋(ふくらはぎ)の固さを和らげると、
下肢から全身へ送る血流が増え、心臓の負担が軽くなり、血圧も下がります。
骨格筋の量、質は加齢とともに下がるけど、ここは努力してアップ、維持していかなくてはならないんですね。
腎臓機能、腰や足の筋肉、血圧との絡み、足のむくみ…この絡みと、一人ひとりの症状、体の状態
を見させていただきながら、施術しています。
難しいけどとても大事な関係です。